東京総研及び元森公認会計士・税理士事務所の掲載記事情報

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「週刊ダイヤモンド」
2003年4月19日号(123頁)掲載

経営よろず相談所
テーマ:消費税改正の節税への影響


回答者  元森俊雄
東京総研 代表(公認会計士・税理士)


Q.有限会社を設立して売り上げを分割したり、社員を出向させ業務をアウトソーシングしたりすれば、消費税の節税になると聞き、子会社設立を考えています。消費税が改正されるそうですが、子会社の設立は有利でしょうか?

A.2004年4月から、消費税が免税になる売上高が3,000万円から1,000万円に引き下げられます。年商1,000万円以下だと、費用も1,000万円以下に抑える必要があります。

 諸経費を考えると人件費(役員報酬+給与)は800万円位が上限です。社長(と言っても親会社では年俸400万円の課長)と年俸200~300万円くらいの若手社員・パート1~2人で精一杯でしょう。

 有限会社といえども、会社の運営には経理・給与計算・社会保険事務がありますし、法人税・源泉税の申告・納付も必要です。さらには、赤字でも地方税の均等割7万円は課されます。また、有限会社を設立するには登記費用等で約25万円掛かります。

 一方、親会社が節約できる消費税は、人件費(非課税)の800万円を子会社に払う外注費(課税)に切り替えることによる約40万円(800万円×約5%)だけです。

 会社資産の分割による相続税対策などほかの目的がなければ、消費税の節税対策としての子会社設立は避けるべきです。

消費税改正の節税への影響

2003年4月19日号表紙