東京総研及び元森公認会計士・税理士事務所の掲載記事情報

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「週刊ダイヤモンド」
2003年5月3日・10日合併号(115ページ)掲載

経営よろず相談所
テーマ:“資本金1円”でリストラ


回答者  元森俊雄
東京総研 代表(公認会計士・税理士)


Q.資本金1円でも株式会社を設立できるようになったと聞きました。当社では人員削減 を計画していますが、この新しい制度を活用できないものでしょうか?

A.いわゆる中小企業挑戦支援法が施行され、今年2月から1,000万円という最低資本金 がなくても株式会社を設立できるようになりました。しかし、これは創業促進のための特 例で、次のような制約があります。

①創業者(自ら出資し代表取締役になる人)は、給与所得者等に限定。ただし、会社が共 同出資することは構いません。
②経済産業局の承認が必要。
③5年以内に本来の最低資本金まで増資できないと、合名会社等へ組織変更するか解散す ることになります。

 支援法を活用し、社員が独立して「一人親方的」な株式会社を設立するのを支援すれば、 プラスのイメージでリストラを進めることができます。たとえば、社員が100万円、会 社が50万円出資して、2~3年は今の給与相当額の仕事の発注を保証する。もちろん他 社からの受注も奨励し、一人立ちを支援します。

 なお、資本金1,000万円未満の会社は設立当初の2年間は消費税が免税ですし、年商が1 千万円以下であれば3年目以降も免税です。外注費に含まれる消費税の節税分を加算して 払えば、さらなる支援になります。
 独立支援、リストラ、節税のまさに一石三鳥です。

“資本金1円”でリストラ

2003年5月3日号表紙