東京総研及び元森公認会計士・税理士事務所の掲載記事情報

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「週刊ダイヤモンド」
2003年5月24日 (101ページ)掲載

経営よろず相談所
テーマ:同族会社の税金が安くなる


回答者  元森俊雄
東京総研 代表(公認会計士・税理士)


Q.わたしの会社は、資本金5000万円、自己資本比率60%で、株式の大半を一族で保有する同族会社です。2003年3月期の課税所得は1億円で、 約3000万円の通常の法人税のほかに、留保金課税として800万円加算されました。2004年3月期も同じ位の利益が出る計画です。留保金課税が変わるそうですが、今後どうなるのでしょうか?

A.留保金課税制度とは、同族会社において、通常の法人税に加え、社内留保金額(=税引後利益-配当等の社外流出)から所定の控除額を差し引いた留保金額に対し 10%から20%を掛けた額を納める制度です。

 中小企業(資本金1億円以下)については、創業10年以内の場合や、試験研究費等の対売上高比率が3%超の場合は適用除外になっています。

 2003年4月の改正で、自己資本比率(自己資本÷総資産)が50%以下の中小企業も適用除外になりました(2003年4月から2006年3月末までのあいだに開始する事業年度が対象)。

 あなたの会社の場合、資本金5000万円なので中小企業に該当し、今期から対象になりますが、自己資本比率が60%のままだと、要件を満たしません。

 銀行借り入れなどの負債を増やして自己資本比率を50%以下にできるか否かを検討しましょう。ただし、借入金を預金に寝かせただけですと、“租税回避行為“として 否認される可能性がありますので、借入金を設備投資・在庫投資などに使う必要があります。

同族会社の税金が安くなる

2003年5月24日号表紙