東京総研及び元森公認会計士・税理士事務所の掲載記事情報

掲載記事トップへ
「週刊ダイヤモンド」
2003年8月2日 (107ページ)掲載

経営よろず相談所
テーマ:外国の専門家招待と源泉税


回答者  元森俊雄
東京総研 代表(公認会計士・税理士)


Q. 私の会社では外国の大学教授を日本に招待し、新製品発表会での講演を計画しています。 講演料・旅費の支払いに際して、源泉徴収する必要があると聞きましたが、本当でしょうか?

A.

 非居住者に対して、日本国内での活動(講演や専門的知識の提供など)の対価として、報酬を支払う場合、支払い者は報酬の20%を源泉徴収し、 翌月10日までに税務署に納付するのが原則です。(教授が自国で申告すれば、源泉税額は精算されます。)
 注意すべきは、その教授の往復の飛行機代や日本での滞在費を会社が教授に支払う場合、その費用負担分も報酬とみなされ、源泉対象となることです。 (ただし、旅費等を航空会社やホテルなどに会社が直接支払う場合は、源泉不要です。)
 もし、源泉が必要なのに源泉しなかった場合、税務調査で指摘されると、源泉すべき額を追徴されることになります。
 これらは原則的な扱いですが、教授が日本との租税条約締結国の居住者で、事前に税務署に「租税条約に関する届出書」を提出しておけば、源泉は免除されます。
 しかし、条約がない国からの招待者の場合は、源泉が必要です。日本との租税条約締結国は55ヶ国で、非締結国が130ヶ国以上あります。
 教授の居住国が締結国か否かを確認し、締結国であれば届出書を事前に提出して下さい。

外国の専門家招待と源泉税

2003年8月2日号表紙