東京総研及び元森公認会計士・税理士事務所の掲載記事情報

掲載記事トップへ
「週刊ダイヤモンド」
2003年12月13日 (111ページ)掲載

経営よろず相談所
テーマ:現物出資の手続が簡単に


回答者  元森俊雄
東京総研 代表(公認会計士・税理士)


Q.  社長からの借入金などの債務を資本金に転換したいと考えているのですが、手続きは難しいでしょうか?

A.  ご相談の内容は、いわゆる現物出資の手続きといわれるものです。

 現物出資とは、会社設立や増資の際に金銭以外の財産により出資することです。
 従来は、出資額が500万円以下の少額な場合などを除き、現物出資を行うには裁判所が選任する検査役の調査が必要でした。
 しかし、調査に時間と費用がかかることから、現物出資は敬遠され気味でしたが、商法が改正され、2003年4月から公認会計士などの 証明を受ければ検査役調査は不要となるなど、手続きが簡素化されました。
 現物出資というと、機械設備、不動産、有価証券などの実物資産に限られるように思われがちですが、債権も対象となります。
 債権は出資を受ける側からみると「債務」です。したがって、社長や関係会社からの借入金なども、債務の実在性・金額などに関する 証明を公認会計士などから受ければ、出資金に充当できるといえます 。
 現物出資により債務を株式化する手法にデット・エクイティ・スワップ(DES)があります。DESは、まず増資し、次に債務を返済 するというステップを踏みにくい場合に有効で、企業の再建、不良債権処理などによく用いられます。

現物出資の手続きが簡単に


2003年12月13日号表紙