東京総研及び元森公認会計士・税理士事務所の掲載記事情報

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「週刊ダイヤモンド」 2004年01月31日 (117ページ)掲載
経営よろず相談所
テーマ:出向者の給与は損金?
回答者 元森俊雄 東京総研 代表(公認会計士・税理士)
出向者の給与は損金?"

2004年01月31日号表紙

Q.  当社では子会社を設立し、社員3名を出向させる予定です。子会社は当初2年くらい赤字の予想なので、 出向者の給与を当社で負担しようと考えていますが、問題がありますか?なお、当社の資本金は1億円で、 課税所得は1億円位の見込みです。

A.  出向者は子会社で勤務するのですから、子会社がその給与の全額を負担するのが原則です。

 出向者の給与を親会社が負担した場合、親会社は給与相当額を子会社へ贈与したとみなされ、税務上は寄付金として扱われます。

 寄付金の損金算入限度額は、『(資本等×0.25%+所得×2.5%)×1/2』の算式で計算されます。あなたの会社の 限度額は年間約140万円になりますので、これを超える給与負担額は損金にはなりません。


 しかし、次のような場合は損金に算入できます。
①親会社と子会社の給与水準に格差があり(例えば、月給が親会社で50万円、子会社で40万円)、 その差を親会社が負担した場合。
②親会社の都合による出向(教育目的の出向、子会社から購入する製品を検査するための出向など)で、給与全額を負担した場合。


 なお、親会社で従業員の者が子会社で役員に就任する場合、上記①②の場合でも、親会社負担額のうち役員賞与に相当する分は 損金不算入になります。