東京総研及び元森公認会計士・税理士事務所の掲載記事情報

掲載記事トップへ
「週刊ダイヤモンド」 2004年03月27日 (131ページ)掲載
経営よろず相談所
テーマ:節税と脱税の大きな違い
回答者 元森俊雄 東京総研 代表(公認会計士・税理士)
節税と脱税の大きな違い"

2004年03月27日号表紙

Q.  今期は業績が順調でかなりの利益が出そうです。節税したいのですが、どういう方針で臨んだらよいでしょうか?

A.  税法が定める税軽減措置や特例を利用して合法的に税金を減らすのが節税、違法な手段で税金を免れるのが脱税です。節税には次の2つがあります。
①税額合計が減る場合(試験研究費・設備投資による税額控除など)。
②当期の税金は減るが来期以降の税金が増え、総額は大差ない場合(納品時期を遅らせて翌期に売り上げを計上するなど)です。

 これに対し、売り上げ除外や経費の水増しなどをすれば脱税に当たり、判明した場合には重加算税(本来の税額の35%) と延滞税(年利15%の利子)が加算されます。

 内容次第では社長への賞与と認定されて所得税も追徴され、利益圧縮額が100万円だとすれば、120万円くらいの税金が課せられます。 脱税が多額だと懲役5年以下の刑事罰になることさえあります。脱税は割に合わないことを肝に銘じる必要があります。

 形式的には合法でも、税の軽減のみを目的とする不自然な行為と当局が判断すると脱税になってしまいます。新聞の脱税に関する記事で目にする 「見解の相違」の多くがこれです。節税と脱税は紙一重の要素もありますので、専門家によくご相談下さい。