東京総研及び元森公認会計士・税理士事務所の掲載記事情報

掲載記事トップへ

当社代表の元森の記事がダイアモンド社「月刊中小企業」に紹介されました。
「海外投資家の熱い視線は、今、日本のエクセレント・スモール・ビジネスへ」



Q : 米国では、エンジェルと呼ばれる個人投資家がベンチャー育成に一役買っているそうですが。

元森  これは日本との大きな違いですが、アメリカのベンチャー企業の資金調達は20%以上がエンジェルによるものです。 エンジェルとは将来の成長に期待してベンチャー企業に資金を投資する個人投資家たちのことです。 彼らはキャピタルゲインを念頭にいれていることはもちろんなのですが、夢を共有するために投資していることも事実です。統計的には彼らの投資対象の多くは、創業1~2年目の アーリー・ステージ(創業期)の段階にあり、投資後に約30%くらいの企業がとん挫しています。日本人から見れば、非常にリスキーな感じがしますが、複数企業への投資によってリスクを分散し、 そしてその中からナスダックヘの公開企業が生まれてくるわけです。エンジェル同士で投資クラブのような存在をつくって、成長企業の夢をバックアップしています。日本においてもこのような ”暖かい資金”が未公開中小企業の育成に欠かせません。一方、個人投資家中心のエンジェルに対して、未公開ベンチャー企業に組織的に専門投資を行っているのがベンチャーキャピタルです。 銀行・生保などの機関投資家や事業法人などから資金を集めて投資を行うわけですが、経営にも参画し、リスクを背負って投資先と一体で成長をめざしています。いわば、金も出すが、□も出す、 これがアメリカのベンチャーキャピタルの大きな特徴です。

Q : しかし、外資のベンチャーキャピタルが日本企業に口うるさく関わると、うとまれるのでは。

元森  日本のベンチャー企業への投資は、ビジネスパートナーを日本に求め、そことタイアップして投資ファンドを設定し、 中小のベンチャー企業に投資・育成していくスタイルを取っています。これによって、外資のベンチャーキャピタルは余計な摩擦を回避でき、また日本のベンチャー企業はベンチャー先進国 アメリカのビジネスノウハウを学習できるわけです。80年代には自動車や家電などの製造においては、もはやアメリカには学ぶべきものはないとまでいわれましたが、ネットビジネスをはじめ 情報・通信関連ではアメリカがはるかに先を進んでおり、生きた教科書のようなもの。それゆえに、単に資金量だけではなく、日本におけるニュービジネスの育成・支援に海外のベンチャー キャピタルが想像以上の影響力を持っていることを見逃してはいけません。

前へ